水産業は、農業、畜産業と並んで、私たちの食を支えています。魚食文化の豊かな日本では、国内に多様な水産関連事業が存在すると同時に、多くの魚介類を外国から輸入しています。しかし、今、世界的に水産資源の枯渇が問題となっているのです。
FAO(国際連合食糧農業機関)の2005年のレポートによると、2003年時点で世界の水産資源の52%が生物学的に資源を維持できる限界量であり、16%が過剰漁獲状態、そして7%が既に枯渇しているとされ、合計75%が資源枯渇かそれに近い状態にあるとされています。
魚が減れば、当然、漁業も衰退します。日本の漁業は今、資源の減少による漁獲量の減少や輸入品との価格競争、エネルギー高騰による経費の増加、後継者不足など、多くの課題を抱えています。
アミタ持続可能経済研究所(以下、アミタ持続研)は、水産資源の持続的管理の枠組み構築や、海洋の生物多様性保全、漁業者の経営再建などの支援を通じ、水産業と、それを取り巻く地域経済、そして次の世代の豊かな食文化を守ります。
アミタ持続研は、計量経済学モデルに基づいて、「魚と漁業者と消費者の長期全体最適解」を科学的に導き、これを元に関係者の合意形成を行い、具体的な行動をおこす支援を実施しています。経済分析のノウハウだけでなく、魚の生態・漁労技術・漁業をとりまく制度・漁村という社会の特性・魚の流通の仕組みなどについて、現場でのフィールドワークに基づく「自分たちの足で稼いだ」知見を駆使しています。
これまでに、
- 国際的に通用する代表的な水産エコラベルであるMSC漁業認証の国内導入調査およびMSC漁業認証取得に関するコンサルティング業務
- 漁業協同組合の経営再建支援として、職員へのヒアリング、財務資料の分析、収支状況やマネジメント、マーケティングについての問題点の洗い出しと経営改善案の提示、必要経費の算定などの実施
- 自治体において、漁業、水産業の魅力を地域内外に伝えるための地域資源の整理検討および体験のモデルプログラムの作成
- 離島における漁業活性化を目的とした生態環境調査、海洋資源の保全活動、研修会、イベント開催などの支援
などの支援を行っています。