森林学会に行ってきました

2009年3月28日 22:29  カテゴリ:研究と現場  コメント(0)

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イブニンブセミナーの後の飲み会の風景

 

約10年ぶりに日本森林学会(昔の林学会)に行ってきました。

大学時代の研究室(森林生態学研究室)の先輩に声をかけて

いただき、その先輩が主催するイブニングセミナーで少し話をさせて

いただきました。林業に関して、研究と実務がどのように連携して

いけば良いかというテーマのセミナーでした。

林学会という名前がなくなり、全国の大学から林学科というものが

なくなり、今頃このようなテーマで人が集まるのだろうかと思いながら

参加させていただいたのですが、ぎっちりと人が入っていました。

100人ぐらいおられたのではないでしょうか。

 

非常に大きな収穫であったのは、まずこのようなテーマに関心を寄せる研究者

の方々がけっこうたくさんおられることを知ることができたことです。

実学としての林学が崩壊してしまい、林業の現場で苦しみながら奮闘する人たちが

いてもそれを助けてくれる研究者はいないと思っていたのに、そうでもないようです。

 

間伐と下層植生の関係、間伐と土砂流出のメカニズム、間伐と花粉飛散量の関係など、

興味深い報告をいくつも聞かしていただき、ものすごく勉強になりました。

なんとなく強間伐を実施していくのがいいとか、花粉症対策のためにも間伐が必要だと

世間で言われていることと、科学者がしっかり研究の中で明らかにしつつある事実とは

かならずしも一致しないことが多いみたいです。

「間伐をすれば花粉の量が減る」という前提で東京都が莫大な予算を投入して、花粉症対策

の森林整備事業をやっていますが、間伐による花粉抑制効果はほとんどないようです。

これもいくつも研究例があるようですが、間伐をして増えたというケースも少なくないとか。

 

私の方からは、現場でがんばっている人と対話をかさねて、その課題を解決していくという

ことを目的として研究テーマの設定をしてくださる研究者が増えるとうれしいという話を

させていただきました。

 

そのあと飲み会があり、いろいろな研究者の方々と話をしました。

そこでの収穫は、生態学出身の人たちの中で、現場の問題解決を意識した研究や人材

育成に取組んでいる人たちがけっこういるのが分かったことです。

特に私が所属していた研究室の先輩や後輩たちが、ほんとに久しぶりに再開したのに、

同じ時代を共有し、違う立場で地域や林業という問題について考え活動しているという

ことに驚きました。

私はトビムシの研究をしていたのですが、ササラダニ、カビ、カビと植物、窒素循環、

樹木の枝の伸び方、樹木の花や果実のつけ方(成長と繁殖の配分についての戦略)、

窒素動態と下層植生などなど、森林生態学という名前の研究室の中にはいろいろ

研究をしている人たちがいました。非常にマニアック集団だったのに、ちゃんと世の中

のことや林業のことについて久しぶりに会って話ができるということが驚きで、

なぜそうなのかということを先輩たち飲みながら話し込んでいました。

 

生態学という分野でトレーニングをしてきた人たちは、システム思考を鍛えこんでいる

からだろうというのがその中ででてきた仮説でした。森林生態系という複雑なシステム

がどのようにして成立しているかを読み解く作業を、いろいろな視点で取組んでいる

研究室だったので、今の社会システムの中での研究のあり方や、林業の問題など

についてもちゃんとシステム思考で考える力をもっておられる人が多いのかもしれません。

 

自分は早々に大学を離れてしまいましたが、深く深く生態学について研究を重ねて

こられた先輩や後輩たちと、実務の世界に入っている自分とが、これから何か一緒に

やれることがありそうだということが、非常にうれしかったです。

 

林業塾OBの東大の博士課程のNくんにも久しぶりに再開し、Nくんの研究が

まさに今自分が求めているものであることを知り、近く連携について打ち合わせを

しようということになったのもとても嬉しいことでした。

 

いよいよ4月から西粟倉村に転勤するのですが、窒素循環をやっていた先輩と

シロアリをやっていた後輩が、教員として岡山大学にいることも分かりましたので、

近く会いに行ってみたいなと思っています。

 

研究室の大先輩でもあり、横浜国立大でトビムシの研究をしておられるK先生からは、

「トビムシの知名度を上げるためにがんばってよ!」と言っていただきました。

トビムシ研究者から、(株)トビムシへの応援の言葉をいただけて、とてもうれしかった

です。

 

今回の機会をいただいた森林総研のI先輩、ほんとにありがとうございました。

 

いろいろなことがこれからますます面白くなりそうです。

 

 

 

 

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