ススキ草原に響き渡る 子どもの泣き声の温かさ
2008年10月27日 07:04 カテゴリ:風景 季節など コメント(0)
10月24-25日で、現代版「入会慣行」などで知られる森林塾青水という団体
の活動を視察させていただきました。
東京という世界的にも巨大な都市が存在できている背景には豊富な水があります。
その水の8割は利根川に依存しているということです。
森林塾青水は、その利根川の源流域にあるみなかみ町にて、
「飲水思源」を合言葉に、利根川でむすばれた上流部と下流部の住民が、
一緒になって里地の保全と活用に取り組んでいます。
地域を越えたメンバーシップによって、地域の自然や文化を共有していくという
活動に前から関心があり、随分前から自分自身も会員にならせていただいて
いたのですが、今回ようやく現地に行くことができました。
今回は大変ありがたいことに、森林塾青水の清水代表に丁寧に現地をご案内
いただき、たくさんの関係者に会わせていただきました。
数百年かけて日本人が維持していきた、人が自然との関係を丁寧に
丁寧に積み重ねてきたことにより形成された、美しい風景が
そこにはありました。
初めて見る風景なのに、なぜこんなにも懐かしく感じるのかということに
驚きながら、紅葉に彩られた山里の風景を味わいました。
しかし、過疎と高齢化が進み、かやぶきの屋根が崩れている廃屋もところどころに。
「なんとかしたいが、なんとかなると思えない・・、
みんな地域からだんだん人がいなくなるのはもう仕方ないと考えている」
「仮にいい知恵があっても、動く若いもんがおらんとどうしようもない。
子どもを生んで育てながら若いもんがここで暮らすには、仕事がない。」
こんな前向きに考えながらも悩み続ける地元の声を聞きながら、
藤原地区の茅場へ。
ここは、茅葺屋根の茅(ススキ)をとるために地域の入会として管理されたきた場所。
放置されていたその場所で、森林塾青水は火入れを復活させ、さらにそこで生産した
茅を重要文化財を維持するために供給したりもしています。
10月25日は、森林塾青水が主催する日本初の茅刈コンテストの初日でした。
私も茅刈の体験を少しやらせていただきました。
小さな子どもを二人連れて、この地域に移り住むことになった夫婦も茅刈の
イベントに参加していました。
彩り鮮やかな山、そのふもとには日に照らされて輝くススキ草原、
茅刈を楽しむ人たち、そこに響きわたる子どもの泣き声。
子どもは何かを訴えたくて必死に泣いているのでしょうが、
その泣き声のおかげで、とても温い気持ちになりました。
この地域がこれからどうなっていくのか、どうしたらいいのか、
すぐに答えはでないかもしれません。
でも、子どもの泣き声が響いているんだから、なんとかなるはずだ。
直感的にそんな予感をいだきながら、現地を後にしました。





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