自然資本という考え方
2008年8月18日 07:39 カテゴリ:地域づくり 地域再生 理念 思想 価値観など コメント(0)
持続可能な社会とは何か。
この問いについて答えを見つけ、そしてそれを形にしていくのが
私たちの仕事です。
まだその答えは見つかっているとは言えません。
事業を通じて仮説検証を繰り返して行くなかで、近づいていくでしょう。
その仮説の1つは、地下資源に依存する社会ではなく、
持続可能社会とは「自然資本と社会関係資本に立脚した社会経済システム」
でなければならない、というものです。
自然資本というのは重要な概念になりますので、かつてこのテーマで
構想日本さんのメルマガ用に書いた原稿を以下に紹介させていただきます。
【自然資本力の強化で新しい経済システムの確立を】
高知の四万十川流域で古老から聞いた話である。
「戦争中は、米が食べれなくてひもじい思いをした。
でも、四万十川のアユやウナギは欲しいだけ捕って食べることができた。
現在とは比べものにならないほど、かつての川は豊かだった」
とのこと。
つまり、天然のアユやウナギという、今となれば簡単に手に入らない高級食材が
いくらでも川で捕れたというのが、戦争中のひもじさなのだ。
生活の基礎を支えてきたかつての自然の豊かさが失われ、
さらにその減少と劣化が加速しようとしている。
これから私たちが体験するかもしれない食の危機は、
戦争中に四万十の古老が体験したよりも、一層深刻なものとなるではないだろうか。
我々アミタ持続研のスタッフは、常に農林水産業や生物資源の流通に関する仕事を
行っているため、かなり前からウナギの資源枯渇は時間の問題だと認識していた。
今年はいよいよヨーロッパのシラスウナギの輸出が禁止されることになり、
来年からはウナギ好きの日本人の食卓にも影響を与えることは必至である。
しかしこれは、氷山の一角。
森や海の資源の減少と劣化は、すでにかなり進行してしまっている。
世界的な資源の減少と劣化は、国際市場における穀物、魚、木材の価格の高騰にも表れている。
世界規模で、食料問題は新しい局面を迎えようとしており、お金があったら食料や木材を
海外から買えるのでそれでいいという時代はそろそろ終わりを迎えるのではないだろうか。
特に世界の天然水産資源は、これから5年の間に急激に減少することが予測されている。
ロシアは森林資源や水産資源の管理を今年から急激に強化し始めた。
中国は世界中から木材を輸入しながらも、自国の森林の伐採はかなり制限している。
周辺の国々が、かなり長期的な資源戦略を策定しそれを実行しているなかで、
日本には長期的な資源戦略があるようには見えない。
「美しい国」を掲げた安部政権は短命に終わったが、資源政策という視点からは、
自然が美しく豊かであるということは、極めて重要になってきている。
深刻な事態を回避するためには、これからの10年間、国をあげて自然資本力を強化し、
資本主義を自然資本主義に進化させなければならないと、
我々アミタ持続研では考えている。



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